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土門拳の視点、 入江泰吉の視点 [その他]

京都・奈良に旅をして、仏像鑑賞の楽しさに目覚めた家内 ではありますが、そうそう旅行に行ける身分ではありません。
薪が切れれば火が消えるが如く、興味を失わないよう燃料補給のつもりで買ったのが↓のシリーズ4冊です。

古寺を訪ねて―東へ西へ (小学館文庫)

古寺を訪ねて―東へ西へ (小学館文庫)

  • 作者: 土門 拳
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2002/02
  • メディア: 文庫

有名な写真家として名前くらいは知っているという軽い気持ちで買ったのですが、見てみると心惹かれるものがありました。

ちなみに、ボク自身はあまり写真は撮りません。
撮り始めるとそちらにばかり気がいってしまうので、自分の眼でちゃんと見ておこうと思うのが理由の一つ。
もう一つは、上手く写真が撮れないからです。眺めていい光景だと思って撮っても、出来上がってくる写真は「いいと思った光景」とは別物のように思えてしまいます。漠然と撮るのではなく、構図を意識して撮るべきなのでしょう。

このシリーズの被写体は、自分も行ったことがある寺社や、見たことがある仏像が多かったです。被写体自体はさほど新鮮ではありません。
が、こういう見方(構図)もあるのかと思わせる作品がいくつもあり、「次に行くときは、ここに注目して見てみよう」という気になりました。被写体と向き合い、余分なものを切り捨て、本質的な部分のみを構図に収めたという印象を受けました。

本には、自身の短文も掲載されていて、同じ寺社に通いつめ、納得がいかなければ撮りなおしたという記述が散見されます。
前後・左右・上下、無数に広がる空間の中で、また季節や陽光が移りゆく時間の中で、ただ一つの自分の視点を探す執念のようなものを感じました。第四巻の「車椅子からの視点」、弟子の西川孟氏の「師・土門拳」、第三巻の「走る仏像」は特に印象的でした。

その余勢を駆って、↓のシリーズ2冊も購入しました。

入江泰吉 私の大和路―春夏紀行 (小学館文庫)

入江泰吉 私の大和路―春夏紀行 (小学館文庫)

  • 作者: 入江 泰吉
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2002/04
  • メディア: 文庫


高名な2人の写真家ですが、同じような場所や仏像を撮っても、視点はかなり異なることは興味深かったです。
無数の選択肢がある空間・時間の中から選びぬいた1点なればこそ、機械で写す写真にも個性があり、芸術にもなりうるのだろうと納得した次第です。

「次に行った時にはこう見てみよう」と観光ガイドのように比べると、土門拳氏の視点は寺社・仏像の鑑賞用、入江泰吉氏は散策用という印象です。そう思うからか、土門拳氏は空間を重視した視点、入江泰吉氏は時間を重視した視点とも思われます。

家内のためにと思って買ったのですが、写真集を眺めるうちに、自分自身が京都・奈良にまた行きたくなってきました。
2人の高名な写真家がライフワークとして取り組んだくらいですから被写体の魅力は尽きぬものがあるのでしょうし、自分なりの視点を探す楽しみもありそうだと思えました。
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momomo

写真は奥が深いですよね。。つくづくそう思います。
どんなに幻想的でステキでも、私は自分が見たい視点で撮られている写真がやっぱり好きですね。
by momomo (2008-03-08 06:56) 

あじゃあじゃ

「土門拳」という名前を見て、どこかで聞いたことがあるなと思ったら、以前にこの方が撮られた炭鉱町の写真集を見たことがあります。とても激しい印象を持ったのですが、その方が仏像という静的なもの(決めつけて良いのかしら?)を撮ったらどういう表現になるのだろうと興味を持ちました。
by あじゃあじゃ (2008-03-08 14:15) 

Shun

>momomoさん
あまり熱心に取り組んだことがありませんでしたが、写真も面白うそうと思うようになりました。機械が写し取るものだから・・・と思っていましたが、これらの本を読んで、シャッターを押す瞬間に至るまでの写真家の気迫のようなものに触れた気がしました。

>あじゃじゃさん
ボクは逆に「古寺巡礼」シリーズを撮った写真家というイメージだったのですが、リアリズム写真の名著といわれる「筑豊のこどもたち」のような作品集もあるとは知りませんでした。重そうではありますが、見てみようかと思います。
by Shun (2008-03-10 23:40) 

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